通信環境が安定しやすいことから選ばれやすい”有線LAN”。
しかし、LANケーブル(有線)で機器同士を接続する必要が。
パソコンや複合機など、接続機器が増えると増設工事の必要があります。
では、有線LANの増設工事は気軽にできるのでしょうか?
自宅規模ならまだしも、オフィス規模だとLANケーブルの本数も相当なもの。
つなぎ間違えてネットワーク全体が停止、なんてことになれば大問題です。
そこで、今回は有線LANの増設工事はできるのかについてご説明します。
増設工事には欠かせない”スイッチングハブ”の選び方もご紹介しましょう。
▶︎目次
1.有線LANの増設工事はできるの?
冒頭で紹介した通り、接続機器が増えれば増設工事の必要があります。
では、有線LANの増設工事は簡単に、できれば自分でもできるのでしょうか?
有線LANの増設工事はできる
有線LANの増設工事では一般的に”スイッチングハブ”を使って施工します。
スイッチングハブとは”集線装置”とも呼ばれ、LANケーブルの分岐点となるものです。
モデム側から1本のケーブルを、接続機器側に複数本のケーブルを接続するためのもの。
スイッチングハブにはLANポート数が、LANケーブルを接続できる本数が決まっています。
つまり、LANポート数に空きがあれば、新しいLANケーブルを差し込むだけ。
大掛かりな施工も必要なく、有線LANの増設工事をものの数分と簡単にできます。
また、有線LANの増設工事には国家資格はありません。
国家資格がないということは、誰が施工しても法律的に問題がない訳です。
しかし、規模が大きくなると、LANケーブルの配線は複雑になり難易度は上がります。
ちょっと増設するならまだしも、大掛かりに増設するのなら業者に依頼するのが安心です。
ハブに空きがないなら交換で
有線LANの増設工事はスイッチングハブのLANポート数によって変わります。
LANポート数に空きがあれば、LANケーブルを差し込むだけと簡単に。
もしLANポート数に空きがないなら、他のスイッチングハブに交換という手もあります。
このあと詳しく紹介しますが、スイッチングハブにも機種によって性能が異なります。
高性能なものになればLANポート数も多いので、増設工事もしやすい訳です。
2.スイッチングハブの選び方
LANポート数に空きがないなら、他のスイッチングハブに交換すべしとのことでした。
では、有線LANの増設工事に欠かせない、スイッチングハブの選び方をご紹介しましょう。
LANポート数
先述した通り、スイッチングハブには”LANポート数”が。
LANポート数によって接続できるLANケーブルの本数が決まります。
一般的には以下のようなLANポート数があります。
- 5ポート
- 8ポート
- 16ポート
- 24ポート
- 48ポート
家庭用であれば5ポートや8ポートあたりがいいでしょう。
業務用でも16ポートや24ポートもあれば十分です。
LANポート数は増やしすぎると価格が高く、消費電力も大きくなります。
また、つなぎ間違いの原因にもなるので24ポート以下がおすすめです。
まずは、現在使用中のスイッチングハブのLANポート数を確認しましょう。
転送速度
スイッチングハブには”転送速度(速度性能)”というものも。
主に以下の2つに分類されます。
- 100Mbps
- 1,000Mbps(1GB)
数値が上がるほど、転送速度も速くなり性能のいい証拠です。
基本的に1,000Mbpsと、転送速度の速いものを選ぶのがいいです。
ただし、接続機器が古いと、100Mbpsにしか対応していないことも。
1,000Mbpsをつなげても、ほとんど効果がないので要注意です。
最近の機器は対応しているので、まず1,000Mbpsでも大丈夫と言えます。
本体素材
スイッチングハブは”本体素材”にも違いがあります。
例えば、以下のような本体素材が。
- プラスチック製
- 金属製
価格的に見るとプラスチック製が安いので魅力的です。
しかし、耐久力だと金属製なので業務用として人気が。
あくまで一般論の話で、実際には大きな差はありません。
予算などを含めて、どちらを選ぶか検討するのでいいでしょう。
電源タイプ
スイッチングハブには”電源タイプ”にも種類があります。
電源タイプとしては大きく分けて2つの種類が。
- 電源内蔵型
- ACアダプタ型
電源内蔵型は電源自体が本体に内蔵されスッキリと。
ACアダプタ型は電源が外付けで、少しだけ場所を取ります。
これも好みの問題なので、好きな方を選べばいいと思います。
ループ検知機能
スイッチングハブによって”ループ検知機能”のついた機種も。
ループ検知機能とはネットワークループを検知するための機能のこと。
ネットワークループとはLANケーブルのつなぎ間違いで起こるもの。
1本のLANケーブルを同じハブにつないでしまうミスのことです。
ネットワークループをするとネットワーク全体が停止する可能性が。
自宅規模ならすぐ発見できますが、オフィス規模となると大変です。
ループ検知機能があれば、つなぎ間違えた時点で知らせてくれます。
万が一を想定するのなら、ループ検知機能はあるのが便利です。
3.まとめ
今回は、有線LANの増設工事はできるのかについてまとめてみました。
結論を申し上げると、有線LANの増設工事は意外と簡単にできます。
特に、スイッチングハブのLANポート数に空きがあればケーブルを差し込むだけ。
空きがなくても、他のスイッチングハブに交換すれば空きを増やすことも可能です。
しかし、オフィス規模になるとLANケーブルの本数も相当なものになります。
複雑に配線されたものを、勝手に増設工事するとつなぎ間違えることも。
ネットワークループを起こすと、ネットワーク全体が停止してしまうかもしれません。
小規模ならまだしも、大規模に増設するなら業者に依頼するのがおすすめです。