有線LAN工事を進めるにあたり、必ず考えておきたいのが”セキュリティ対策”。
オフィス内には自社の製品情報や、連絡先など顧客情報に至るまで。
万が一、セキュリティの甘さから情報漏洩にもなれば信用問題につながります。
有線LAN工事におけるセキュリティ対策としては”MACアドレス認証”が。
正直、ほとんどの方はMACアドレス認証について詳しくは知らないでしょう。
有線LAN工事を行っている業者の中にさえ対応していないところがあるほど。
そこで、今回は有線LAN工事におけるMACアドレス認証についてご説明します。
▶︎目次
1.MACアドレス認証とは?
冒頭で紹介した通り、有線LAN工事のセキュリティ対策には”MACアドレス認証”が。
では、MACアドレス認証となどのようなものか、有線LANに有効なのか見ていきましょう。
通常は誰でもアクセスできる状態
有線LAN工事ではLANケーブル(有線)を使ってパソコンなどを接続します。
LANケーブルにさえ接続できれば、どのような機器でもネットワークを利用できる訳です。
反対に、物理的に接続されなければ、不正アクセスされるリスクも少ないと言えます。
オフィスに侵入し、ケーブルをパソコンに接続してと、不正アクセスのハードルは高いです。
しかし、万が一にでもネットワークに侵入されたら、通常では何の対策もされていません。
オフィスに侵入される可能性も、外部のネットワークから侵入される可能性もあります。
LANケーブルに接続できるかどうか、この1点だけのセキュリティ対策では不十分なのです。
MACアドレスは機器ごとの認証番号
MACアドレスとは機器ごとに割り振られた世界でただ1つの認証番号です。
例えば、東京都庁舎の住所は”東京都新宿区西新宿2丁目8-1”。
MACアドレスはまるで住所のように、特定の機器だけを示す番号と言えます。
つまり、MACアドレス認証とはMACアドレスを利用した認証方法のこと。
ネットワークに対してアクセスできるMACアドレスを登録しておくだけ。
未登録のMACアドレスは弾かれるので、不正アクセスのリスクを軽減できます。
オフィスに侵入し、パソコンにケーブルを接続しても不正アクセスはできません。
有線LANのセキュリティには有効
MACアドレス認証はMACアドレスを利用して機器を識別する方法とのこと。
結論を申し上げると、有線LANのセキュリティとしてMACアドレス認証は有効です。
もちろん、MACアドレス認証だけで完璧なセキュリティ対策とは到底言えません。
ただ、LANケーブルの物理的な対策に比べれば、より高いセキュリティと言えます。
有線LAN工事を行うのなら、少なくとも”MACアドレス認証”は導入するべきでしょう。
2.有線LAN工事に潜むリスクと対策
有線LAN工事を行うのなら”MACアドレス認証”を導入すべきとのことでした。
実は、不正アクセスの他にも、有線LAN工事にはいくつかのリスクが挙げられます。
差し間違いによるネットワークループ
有線LAN工事を業者に依頼すれば、専門のスタッフが適切に配線してくれます。
しかし、その後の運用管理というのは部分的にでも自社で行うもの。
ちょっとLANケーブルを抜いたとき、つい差し間違える可能性は十分にあります。
ネットワークというのはデリケートなもので、少しの不具合から全体が停止します。
よくあるのはLANケーブルの両端を、同じネットワークに差してループさせること。
ループさせるとネットワークが停止する上に、原因がどこか突き止めるのは大変です。
LANケーブルの用途ごとに色分けするなど、一目で判別できる対策が必要です。
管理不足による火災
有線LAN工事では何十本ものLANケーブルを使い、機器を接続していきます。
どれほどスッキリと設計しても、モデムやハブなどコードが集まるところは雑然とするもの。
定期的に管理、つまりは掃除をしておかないと驚くほどホコリがたまりやすいのです。
LANケーブル自体はほとんど熱を持たないので、ホコリがたまったからと問題ないです。
しかし、モデムやハブというのは熱を持ちやすく、時には熱により機能が低下することも。
もし熱暴走中に周りにホコリがたまっていたら、ちょっとした火種で火災になる可能性も。
LANケーブルも劣化するものなので、掃除ついでに状態を確認しておくことは重要です。
電磁ノイズによる速度低下
オフィス内のネットワーク環境としては、主に有線LAN工事が選ばれる傾向に。
というのも、無線LANに比べ、有線LANは障害物がないので通信環境が安定しやすいため。
高速通信かつ大容量通信がしやすいとして、ビジネスに向いている方法なためです。
ただし、いくら通信環境が安定しやすいとしても、周囲に電磁ノイズがあれば別です。
電磁ノイズとは周囲の電磁機器などから発せられる電磁波のことで通信を邪魔します。
LANケーブルの側に電子レンジのような機器があると、通信環境が乱れることも。
周囲に機器を設置しない、電磁ノイズに強い”STPケーブル”を使うなどが有効です。
3.まとめ
今回は、有線LAN工事のセキュリティ対策に”MACアドレス認証”を紹介しました。
MACアドレス認証とはMACアドレスを利用して機器を識別する方法のこと。
ネットワークに接続できる機器を識別するので、セキュリティ対策として有効です。
しかし、有線LAN工事のセキュリティ対策はMACアドレス認証だけでは不十分です。
ネットワーク上の脅威はもちろん、LANケーブル自体のリスクにも対策する必要が。
有線LAN工事を依頼する業者と相談しながら、対策を検討するのがいいでしょう。
ぜひ、紹介した内容を参考に、より安心できるネットワーク環境を構築してください。